トヨタ自動車は28日、改良型の燃料電池スタックや水素タンクを搭載した燃料電池車『FCHV』2台が、大阪-東京間約560kmを途中の燃料補給なしに走破したと発表した。
同日、午前5時20分に大阪府庁前を出発し、午後3時前に都内の車両展示施設である「MEGA WEB」に到着。走行車両はメディア関係者に公開した。
新型車は燃料電地スタックの小型化などによる出力密度の向上や、バッテリーの制御システムの改良などにより、燃費性能を25%改善している。
さらに燃料である高圧水素のタンクを、従来の350気圧から700気圧まで高め、1回の充てん量を約2倍に増やした。この結果、10・15モード換算による航続距離は780kgと、従来の2.5倍に延びた。
開発を担当する増田義彦常務役員は「クルマとしての大きな課題だった実用航続距離についてはクリアすることができた」と評価した。またこの新型車両については「近い将来、リースなどの展開を行う」方針を示した。
トヨタの燃料電池車は2002年にホンダとともに世界で初めてリース販売を開始、現在、国内外で39台が走行している。