日本の鉄道の発祥地で「デザイン」に触れる

モータースポーツ/エンタメ エンタメ・イベント
日本の鉄道の発祥地で「デザイン」に触れる
  • 日本の鉄道の発祥地で「デザイン」に触れる
  • 日本の鉄道の発祥地で「デザイン」に触れる
  • 日本の鉄道の発祥地で「デザイン」に触れる
  • 日本の鉄道の発祥地で「デザイン」に触れる
  • 日本の鉄道の発祥地で「デザイン」に触れる
  • 日本の鉄道の発祥地で「デザイン」に触れる

交通機関としての鉄道に関係するデザインは、車両をはじめ駅や関係施設など豊富な領域をもっている。そこでこれら鉄道に関るデザインを理解してもらおうと、かって汽笛一声の舞台となった旧新橋停車場跡地にある鉄道歴史展示室で、「鉄道のデザイン」展が7月24日から11月18日まで開催されている。

明治5年に日本で最初の鉄道が新橋(現在の汐留)と横浜(現在の桜木町)間を走って以来、すでに120年余りの歳月が流れる。かつて陸上交通の花形であった鉄道も、蒸気機関車から電化になり、さらに新幹線による高速化が進む一方、人口の移動や自動車交通の発達によるローカル線の廃止など、鉄道に対するニーズや役割が、大きく変化している。

鉄道歴史展示室は、JR新橋駅の東側にそびえ立つ高層ビル群の一角に位置し、都内交通の幹線道路である昭和通りに面した、当時の駅舎を偲ばせる石造り2階建ての建物内にある。

ここに展示室とレストランが並立する。入口から建物を抜けた反対側にはホームと0(ゼロ)哩標識、そして当時のレールが敷かれている。建物内の半地下には、ガラス張りのフロア越しに当時の駅舎基礎石を観られる。汐留地区の土地整備に伴う出土品の展示や、停車場から汐留貨物駅への変化を紹介した図面など、鉄道ファンのみならず地図ファンや、歴史好きにとっても、興味深い展示となっている。

「鉄道のデザイン」展は建物2階の展示室だ。まず国鉄からJRに移行した際のJRマークを初めとして、駅構内の案内図の変遷や、改良による見易さの向上を紹介。駅のデザイン紹介として、現在工事中の新宿駅南口の完成模型。さらに車両デザインにおける外観(エクステリア)と車内(インテリア)のデザインワークについて、機能と利用しやすい環境やレイアウトの必要性を紹介している。

その大部分は壁掛けスタイルのバナーが中心であるが、JR東日本の東北新幹線用次世代車両や、大改修が進みつつあるレンガ造りの東京駅ドームなどは模型があり、夏休みの親子や鉄道ファン、デザインに関心のある人にもお勧めのスポットである。入場無料もありがたい。

誕生して1世紀と4分の1もの時間を経過する鉄道の歴史となると、その資料の遺産たるや膨大な規模となり、今回の展示ではとても収まるものではない。しかし、JRがスタートして以来20年余り。鉄道を取り巻く変化や、進歩したデザインの視点という部分で、本展示を通じて鉄道の未来に対して、良いイメージを抱く機会になりそうである。

鉄道の基本は、2本のレールが敷かれた線路であるが、その上を通過する車両は通勤電車もあれば、夜行の寝台列車や高速の新幹線など、実にバラエティに富み、形やカラーリング、模様など観ていて飽きない。

余談になるが、永らく親しまれてきた千代田区神田の「交通博物館」(中央線旧万世橋駅跡に建っていた)は2006年5月に閉館、その次世代の鉄道展示場となる「鉄道博物館」が、鉄道記念日の07年10月14日、埼玉県さいたま市に開館する。広い敷地を活かした多くの実物車両や鉄道の仕組み歴史など、年齢に関係なく楽しめる展示となるようだ。

旧新橋停車場 鉄道歴史展示室
●所在地:東京都港区東新橋1−5−3
●開館時間:11時00分−18時00分
入館は閉館の15分前まで。
●休館日:月曜日、年末年始、展示物の入れ替え時
ただし祝祭日は開館、その翌日閉館
●入場料:無料
●駐車場:なし。近隣の公共駐車場を利用

《浜田拓郎》

【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース

特集