アウディ『A6 2.4 Sライン』に245/40R18 97Wというサイズの『プロクセスCT01』を履かせて、その走りをチェックした。
UHPタイヤではあるが、走り以外の静粛性や快適性にも気を配って作られただけあって、A6という高級車に履かせても違和感なく、ドライバーも同乗者も気持ちよく走ることができる。
パターンノイズはサイレントウォールが利いているのか、とても静かである。A6自身が静かなせいもあって室内にパターンノイズは届かない。
少し舗装の荒れた路面を走ったときでもロードノイズは聞こえてこない。ノイズプロテクションシートが路面の振動を吸収し、タイヤの振動、サスペンションの振動、ボディの振動と伝えてこないからだ。
かといってソフトでブルブルする感じではない。乗り心地はダンピングがよく、振動がスパッスパッと収まるから気持ちがいい。ヨーロッパ車にはマッチする乗り心地だ。
ハンドル応答性はシャープ過ぎず、正確な反応を示すのでよい。A6は多少フロントが重めだが、その重量を受け止め、ノーズをハンドルの通りに動かしてくれる。切り始めからリニアな反応なので、ドライバーがコントロールしやすい。ハンドルの操舵力はA6の特徴で軽いのだが、手ごたえはきちんと感じられる。トレッドパターンを見るとセンターリブがしっかり通っている効果だろう。
直進時のニュートラル感も締まっていて遊び感が少なく、高速道路でライントレースしようとしたときにも楽である。横風に対しても強く、ふらつきにくい。
コーナリング時のしっかりしたグリップはじゅうぶんである。快適性に振っているといわれるとちょっと心配になるが、サーキットをガンガン攻めるわけでなければ必要じゅうぶん以上のグリップ力はある。
さらにグリップの仕方は穏やかでいい。ガツガツした感じがなく、あっさりとした感触の中でしっかりとグリップしている。これはブレーキやアクセルの縦方向のグリップでも同じだ。ハードなブレーキングでも音を上げることはない。
プロクセスCT01は、高級車向けに快適性とハンドリング性能の最適値を見つけたようなタイヤだといえそうだ。