アイシン精機、東海理化など、次世代型統合ECUの実証実験を開始

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地域新生コンソーシアム研究事業「自動車統合制御用組込みOS」の中心企業ヴィッツは、アイシン精機、アイシン・コムクルーズ、東海理化電機製作所と協力し、「自動車統合制御用組込みOS」の最も重要な研究開発成果である保護機能OSの実証実験を開始したと発表した。

このコンソーシアム研究事業は、名古屋大学、ヴィッツ、東海ソフト、サニー技研、名古屋市工業研究所、豊通エレクトロニクス、アイシン精機の研究実施者が、トヨタ自動車、東海理化電機製作所、アイシン・エィ・ダブリュらのアドバイザ協力を得て、自動車統合制御向けの組込みOSの開発を実施している。

これまで2006年度-2007年度の2年間で、次世代の自動車制御システム向けプラットフォームの標準化を目指して、保護機能を持った組込みリアルタイムOS、車載通信ミドルウェア、検証スイートの3つのサブテーマを、ルネサステクノロジ製のマイコンを使用して開発してきた。

2006年11月末には、サブテーマのうち、車載通信ミドルウェアの実証実験を、実車を用いて機能検証を行っている。

今回実証試験を行う保護機能OSは、メモリ保護機能と時間保護機能を持つ。メモリ保護機能は、汎用OSでは広く利用されている安全性機能だが、組込み機器では、組込み機器が求めるリアルタイム特性との関係で、一般的に実用化されていない。

今回の研究事業では、組込みシステムの特徴を利用し、リアルタイム特性を維持したま実現できるメモリ保護機能の開発に成功している。

時間保護機能として、デッドラインモニタリング方式の時間保護と階層型スケジューラ方式と呼ばれる2種類の機能の開発に成功している。

デッドラインモニタリング方式は、単純に時間制限内に特定処理が完了していない場合の動作不良を防ぐタイプの時間保護だ。

階層型スケジューラ方式は、処理単位で許容される実行可能時間を動的に管理する時間保護で、デッドラインモニタリング方式では検出できない不良原因を特定できる時間保護機能だ。

これらの保護機能が有効に機能することで、ECU搭載個数の増加やワイヤーハーネス重量の増加などの自動車制御ソフトウェアが抱える問題点を解決するために期待されるECU統合を、容易にする基本機能を提供することができるとしている。

今回開始した実証実験の第2ステップでは、保護機能OSの実用性・安全性の確認と保護機能OSに求める要求条件の過不足などを検証するため、実車を用いた実証実験を行う予定。

アイシン精機とアイシン・コムクルーズは、保護OS(メモリ保護、時間保護)を用いて、保護機能の有効性や実用性についての検証を行なう。東海理化は、自社類似製品で、時間保護を用いた機能統合を実施し、安全かつ容易に実装可能であるかを検証する。

実証実験の最終確認検証は2007年秋頃の予定。

《レスポンス編集部》

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