トヨタ自動車が10日に発表した『G-BOOK mX』は、新たな機能として「プローブコミュニケーション交通情報」を搭載。G-BOOK mX対応のクルマから走行情報を収集することで、VICSよりも広範囲かつ高精度な渋滞情報サービスを実現している。
走行中のクルマから通信経由で情報を集めるプローブカー/フローティングカーの機能は、すでにホンダなど他社のテレマティクスでも導入されているが、G-BOOK mXの大きな特徴は「リアルタイム(性を重視した)プローブに大きなウェイトを置いている」(e-TOYOTA部友山茂樹部長)ことだ。過去に収集・蓄積したプローブ情報の活用も行われているが、それ以上に「いま走っているクルマ」から集まる渋滞情報の活用を重視している。
トヨタがリアルタイム型のプローブを重視する背景には、同社独自の内蔵型通信モジュール「DCM」の存在がある。DCM搭載時の通信料は定額になるため、リアルタイム型のプローブで高頻度なデータ送受信を行ってもユーザーのコスト負担は増えない。そのためDCM搭載車では5分ごとに渋滞情報の送受信を行うという。
なお、G-BOOK mXはDCMを搭載せず、Bluetooth携帯電話を接続して利用することもできる。この場合は通信料金がユーザー負担で従量制になるため、プローブ情報の送受信頻度はユーザーが任意で設定できる。
今回搭載されたプローブコミュニケーション交通情報はG-BOOK mX(および同mX Pro)のみに対応する機能であり、先代のG-BOOK ALPHAやレクサスG-Linkのソフトウェアバージョンアップによる対応予定はない。しかし、トヨタは今後G-BOOK mXの普及に力をいれる方針であり、それに伴ってプローブ情報は急増すると見ている。
「G-BOOK mXはDCM搭載車が増えれば増えるほど、広域で高精度の渋滞情報が集められるようになる。'08年度には(プローブコミュニケーション交通情報に対応した)G-BOOK mX搭載車は100万台を超えると考えています」(友山部長)