平べったい車体にタマゴ形のキャビンを乗せたファニーなデザインの日産『Pivo』(ピボ)は、同社のEV(電気自動車)、ITテクノロジーを駆使した3座のコンセプトカーだ。
「発想のおおもとは“バックしないですむクルマは作れないか”というものでした。キャビンは簡単に反転させることが可能で、運転があまり得意でないドライバーも、都会の狭い路地をスイスイと走り回れますし、駐車も簡単にできるという寸法です。電気自動車やITの最新技術を使えばこういうものができるという、提案型のコンセプトカーなんです」
Pivoを開発したHEV(ハイブリッドEV)開発部の門田英稔主管は、Pivoの狙いについてこう説明する。
キャビンをクルクル反転させることを可能にしたのは、「X by Wire」と名付けられた日産の遠隔操作技術だ。ステアリング、ブレーキ、出力制御などはすべてリモートコントロールで行われ、キャビンとプラットフォーム部分のあいだにはシャフトやパイピングといった機械的な結合部分はまったくない。自動運転化に欠かせないといわれるバイワイヤ技術を、目に見える形で先出ししている。