独自のブランド戦略でスマート『フォーツー』をアメリカで予約販売しているZAP社が、なんとダイムラークライスラーに対してスマート10億ドル分を注文、関係者にショックを与えている。
というのも、本家のダイムラークライスラーが未だにアメリカ国内でスマートを販売できるメドを立てられていないためだ。
これはダイムラークライスラー側の完全な戦略ミスである。アメリカでは小型車は売れないという前提のもと、最初からスマートは4人乗りのスマート『フォーフォー』のみを販売すると決定。
しかしアメリカの厳しい規制に合致させるよう改造をほどこして販売しても利益をあげられるかどうか、社内でも意見が分かれている。
ところがカリフォルニア州のスペシャルティカーメーカーであるZAPが、2人乗りバージョンで安全・環境基準をクリアする方法を編み出し、予約販売を始めたところ爆発的な人気となった。
ZAPが今回オーダーしたのは7万6500台のスマート、計10億3000万ドル分。ZAPではすでにアメリカ国内のディーラーからそれだけのバックオーダーを抱えているとしている。
発売前にすでに市場を奪われた形のダイムラークライスラーが、今回の注文に応じるかどうかは未定で、その行方に注目が集まっている。