アメリカでは10年も前からディーラーでのクルマの価格表に『何%の部品がアメリカ産』と表示することを義務づけている。今回はそれに加え、NHTSAによるクラッシュテストの評価の表示を義務づけよう、という動きがある。
これは、燃費などのエコノミーアベレージに加え、クラッシュテストとロールオーバーテストの結果を表示させよう、というもので、すでに連邦上院を通過し、法案化が待たれている状態だ。
ただし、現在アメリカで市販されているほとんどの乗用車、ライトトラックが5段階評価で4以上を得ているため、自動車メーカー側からの反対は今のところ聞こえて来ない。
NHTSAは昨年1年間に770万ドルをかけ、85のクラッシュテストと36のロールオーバーテストを実施している。
しかし、政府内のアカウンタビリティオフィス(GAO)からさえ、テスト結果が4と5に集中しているのは、顧客側の視点からの差別化に役立っていない、という批判もある。
政府はこの法案について、「TVコマーシャルなどの宣伝では『アメリカでもっとも安全なクルマ』などのフレーズが使われ、消費者にわかりにくい」ため、自分の目でテスト結果を確かめる事が重要、と説明している。
しかし自分の目で確かめてもほとんど差異がないならば、何のための表示義務なのか、という声もある。