飲酒の起因の事故、店の責任も追及

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神奈川県警は6日、飲酒運転を原因とする事故を起こして死亡した29歳の男性に対して、クルマを運転することを承知しながらも酒類を販売したとして、飲食店の店長を務める31歳の男を道路交通法違反などの容疑で書類送検した。

神奈川県警・交通捜査課によると、道交法違反(酒気帯び運転幇助)などの容疑で書類送検されたのは、横須賀市久里浜付近の飲食店で店長を務める31歳の男。

この男は今年1月7日の午前0時ごろ、自身が店長を務める店に客として訪れた29歳の男性がクルマを運転していることを知りながら、酒類を提供した疑いがもたれている。

男性は入店直後に行ったオーダーの際に「クルマで来ているから焼酎の水割りは薄めで…」などと注文。店長は男性の言うままに酒を提供し、男性は数時間に渡って酒を飲み続けた。

店の閉店後、この男性は自らが運転する乗用車に男女3人の友人を乗せて帰宅の途についたが、同日の午前5時30分ごろ、横須賀市舟倉付近の国道134号線で速度超過のためにカーブを曲がりきれずガードレールに激突する事故を起こした。

この事故で男性は死亡、同乗していた3人も重軽傷を負っている。

死亡した男性の血液中からは高濃度のアルコール分を検出していたが、これを一般的な呼気検査の数値に換算した場合、呼気1リットルあたり0.5ミリグラムに相当することが判明。男性は泥酔に近い状態でクルマを運転していたこともわかった。

警察では慎重に捜査を続けていたが、「事故と飲酒は関係している」と判断。クルマに乗ることを承知で酒を提供した飲食店の責任は重いと認定、今回の書類送検が決まった。

これまでの事情聴取に対し、店長は「店の利益を優先し、クルマを運転していることを承知しながらも酒を提供してしまった」などと供述しているという。

郊外型の飲食店の経営者などが飲酒運転の幇助で摘発される例は過去にもあるが、いわゆる街中の繁華街の店が対象となるのは今回が全国初のケースとなる。

《石田真一》

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