2004年12月にアラブ首長国連邦のドバイで開催された国際試乗会のプレゼンテーションでは、次の言葉から始まるビデオが上映された。
「Not for everyone」
このコピーにこそ、横浜タイヤが今回世界展開を図るブランド「アドバン」の位置づけが明確に示されている。
日本国内ではこれまで26年という長きにわたって展開されてきた「アドバン」。誰もが知るように、日本におけるモータースポーツおよびスポーツタイヤの定番ブランド。だがそれは基本的にはドメスティックな存在だった。
もちろんこれまでもアドバンの名は、わずかずつだが世界へと送り出されていた。例えば自動車メーカーのOEMタイヤといった具合に。
しかし今後、横浜タイヤはアドバン・ブランドをグローバルに展開することを決めた。これまで同様にOEMももちろんだが、リプレイスタイヤでもアドバンを世界展開するわけだ。そこで先に記したコピーそのものがアドバンのブランド戦略を示している。
「挑戦的なコピーでしょ(笑)」というのはタイヤ第一製品企画・製品企画1Gチーフ・マーケティング・プランナーの伊藤邦彦さん。続けて、「でもコピーの通り、世界で展開するアドバン・ブランドはズバリ『最高峰』、『高性能』がコンセプトで、プレミアム性を備えたものという位置づけなのです」
そう、アドバンは世界において、ハイパフォーマンス・プレミアム・ブランドを標榜し、ブランド変革という新たな試みに出ていくわけだ。(つづく)