【東京オートサロン05】フィットHB の技術、カスタムの将来

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【東京オートサロン05】フィットHB の技術、カスタムの将来
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ベーシックカー、『フィット』のマスクを昔年のアバルトのようなファニーマスクに仕立てた「Fit HB」。このモデルは、デザインではなく技術のプレゼンテーションを目的に出品された(東京オートサロン、14−16日、幕張メッセ)。

ノーマル形状とはまったく異なるボンネットやフェンダーは、通常の板金加工ではなく、ホンダが金属加工メーカーのアミノと共同開発したインクリメンタル成型技術によって作られている。

インクリメンタル成型とは、イラストなどの2次元データをもとに立体加工を可能にする技術。加工装置は半球状の先端のロッドで、金型レスで複雑な形状を自由に作り上げることができるという。

カスタマイズ部品は、人気モデルであれば多くのショップが積極的に発売するが、レアカーや古いクルマになると選択肢がほとんどない場合が多い。このインクリメンタル技術を使えば、従来よりはるかに安価かつ短期間で部品を作ることができる。しかも金型レスのため、需要が少なくても製品価格があまり高くならずにすむというメリットもある。

見方を変えれば、自分だけのオリジナルカスタマイズができる時代がすぐそこまで来ているとも言える。Fit HBが示すのは、未来におけるフリーカスタマイズの可能性なのである。

《井元康一郎》

井元康一郎

井元康一郎 鹿児島出身。大学卒業後、パイプオルガン奏者、高校教員、娯楽誌記者、経済誌記者などを経て独立。自動車、宇宙航空、電機、化学、映画、音楽、楽器などをフィールドに、取材・執筆活動を行っている。 著書に『プリウスvsインサイト』(小学館)、『レクサス─トヨタは世界的ブランドを打ち出せるのか』(プレジデント社)がある。

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