消救車あらため消防救急車…名称と法的扱い決まる

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総務省消防庁は12月28日、1月から千葉県の松戸市消防局に配備される「消防救急車」について、これを法規上は「消防車」として扱うことを決めた。

また、呼称についてもメーカーのモリタが使ってきた「消救車」ではなく、「消防救急車」とすることを正式に決めている。

消防救急車はモリタが開発したもの。毎分2400リットルの放水能力を持つポンプと、車体中央部に救急用スペースを備え、CD-1規格と呼ばれる普通消防ポンプ車と普通救急車の機能を両立する。

全国的に救急車の出動件数が増え、空いている消防車に救急隊員を乗せて緊急の蘇生活動を行うケースが増えていることから、普段は消防車として使い、緊急時には救急車として使うことの出来る多目的車として考案された。

試作車は2002年7月に登場したが、この時点では「法的に消防車として扱うのか、それとも救急車として扱うのか」という、根本の部分が決まっていなかった。

メーカーと総務省消防庁、警察庁や国土交通省が法的な扱いについてこれまで検討を重ねてきたが、この結果として車両登録上では「消防車」として扱うことが正式に決まった。

また、救急スペースが限られることから、総務省消防庁の基準としても「消防車」として扱われる。名称については「消防救急車」と呼ばれることになった。

第1号車が千葉県の松戸市消防局に納入されるのは既報のとおりだが、配備先は六実消防署に決まった。7日に松戸市内で行われる出初式で市民に公開された後、正式に配備される。

試作車は三菱ふそう『キャンター』をベースとしていたが、第1号車のベースとなったのは排気量4.9リットルのエンジンを搭載した日野『デュトロ』となった。また、救急スペースのスイングドアは全体が上方に大きく開くようになり、上下2分割で開くようになっていた試作車のものより構造が簡略化されている。

価格は1台3200万円で、開発当初予想よりも高くなった。ただし、同程度の機能を持つ消防車と救急車を1台ずつ購入することと比較した場合、イニシャルコストで500万円程度の節約になるという。

《石田真一》

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