酒気帯びバス運転手、初の停職処分…横浜市交通局

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横浜市交通局は6日、乗務前の飲酒検査で酒気帯び相当量のアルコール量が検知されたバス運転手に対し、2カ月間の停職処分を命じていたことを明らかにした。

11月から新たに導入した処分基準に基づくものだが、実際に停職処分が行われたのは今回が初のケースとなる。

横浜市交通局によると、乗務前の点呼で酒気帯び相当量のアルコールが検出されたとして停職処分の対象となったのは、同局の野庭営業所(横浜市港南区)に所属する59歳の路線バス運転手。

この運転手は今月4日、同営業所(バス停の名称は野庭車庫)を午前6時44分に出発するJR洋光台駅行きのバスに乗務するため、午前6時ごろに出勤。制服などを着用した後、午前6時25分に運行管理者立ち合いの元で出発前点呼と、義務づけられているアルコールの検知を行った。

だが、この際に運転手の呼気から、道路交通法での酒気帯び相当量に相当する呼気1リットルあたり0.28ミリグラムのアルコールを検出。運行管理者は運転手にその場で乗務の停止を命じ、この運転手が乗務する予定だった便には急きょ別の運転手を手配する措置を取った。

この措置による運行ダイヤへの影響はなく、バスは平常通りに運行されている。

同局では、地下鉄の運転士が酒気帯び状態で乗務していたという不祥事の発覚を機に2002年9月からアルコール検知機を導入。バスや地下鉄の乗務員に対して乗務前の検査実施を義務付け、道交法での酒気帯び下限値である「呼気1リットルあたり0.15ミリグラム」をオーバーした場合、乗務の停止を命じてきた。

検知機の導入から約2年間で約60人が乗務停止を命じられているが、明確な処分はこれまでに実施されておらず、再発防止策に欠けているとの指摘から、今年11月からアルコール検出量に合わせた処分規定を設け、これを実施している。

この処分では、(1)同局に配置された検知機の測定下限値である0.05-0.1ミリグラム未満のアルコール量が検出された場合には厳重処分に、(2)0.1-0.15ミリグラム未満(道交法での酒気帯び相当量以下)では文書訓戒の懲戒処分を、(3)道交法での酒気帯び運転違反に問われる0.15ミリグラム以上の検出で停職処分としている。

2回目以降は1ランクずつ上がるかたちで処分が実施され、最高で6カ月までの停職が命じられると規定された。

導入後1カ月で、厳重注意と文書戒告を合わせて10件の処分がなされたが、停職処分の実施はこれまでになく、今回が初めてのケースとなる。それが道交法での下限値近くではなく、はるかにオーバーした量だったことについては同局でも衝撃を受けている。

同局の事情聴取に対し、問題の運転手は前日の午後11時ごろまで自宅で缶ビール1本と焼酎の水割りをグラス2杯ほど飲んだことを認めている。以前行われた健康診断では肝機能の低下を医師から指摘されており、今回はアルコールが抜け切らなかったらしい。

《石田真一》

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