三菱自動車とモータースポーツ統括会社のMMSPは7日、2005年のWRC(世界ラリー選手権)に参戦する「ランサーWRC05」を開発した。2005年1月21日からまでフレンチ・アルプスを舞台に開催されるWRC第1戦モンテカルロラリーから参戦する。
2005年シーズンからWRCのレギュレーションが改訂された。三菱自動車では、これを機会にランサーWRCを広範囲に渡って改良を施した。
WRCの新レギュレーションでは、車両全幅がこれまでの1770mmから30mm拡大し、最大1800mmとなるため、ランサーWRC05では、従来型に対しフロントおよびリアフェンダー、リアクオーターパネル、バンパーなどの形状変更を行う。挙動安定性の向上を図った。
これに伴って、長尺のサスペンション・リンクやドライブシャフトを採用すると同時に、アップライトにも改良を加え、サスペンション・ジオメトリーの最適化を図った。サスペンションも新たに設計した。さらにグラベル(未舗装路)用のサスペンションについても、アップライトとダンパーを新ジオメトリーに対応させるため開発を進めている。
ボディについては、2005年3月に開催予定のラリーメキシコまでに軽量性を維持しながら、更に剛性を向上させる計画で、マシン・セットアップの自由度が高まるとともにより精妙なチューニングが可能になると見ている。
ランサーWRC05に搭載するエンジンは、従来同様、『ランサーエボリューション』など市販車に搭載している「4G63」型2.0リットルDOHCインタークーラーターボエンジンをベースにしたもので、1月のモンテカルロラリーから新型ウェストゲートとアンチラグバルブを採用する。
エンジン・マネージメントの改良との相乗効果で大幅なエンジン性能の向上とチューニングの精密化に結ぶ付くとしている。
ターボチャージャーの性能向上についても検討中で、評価した上で、年内にもホモロゲーション(認証)申請する可能性があるとしている。