99年はリチャード・バーンズとユハ・カンクネンのコンビでWRCに打って出た。マシンは熟成の域に達した『インプレッサ』だ。序盤戦は99年モデルで戦い、第3戦のサファリ・ラリーでバーンズが勝利を収め、カンクネンも2位になるなど、有終の美を飾っている。また、新井敏弘も6位でフィニッシュした。これに続く第4戦のポルトガル・ラリーで2000年スペックの改良型インプレッサを投入する。重量物をホイールベースの内側に押し込み、重心も下げた2000年モデルは、99年モデルより軽量化を図るとともに重量配分も最適化を図った。
序盤から2番手につけたバーンズは、最終レグで群を抜く速さを見せつける。スペシャルステージの半分以上でトップタイムを叩き出し、最初にチェッカーを受けた。この勝利はスバルにとってWRC通算30勝目だ。デビュー戦で高いポテンシャル発揮したインプレッサは、アルゼンチン・ラリーも制し、ポテンシャルの高さを証明した。
その後、アクロポリス・ラリーでも優勝を飾っている。タイトル奪取に燃えるスバルとバーンズはプジョー、三菱とシーズン終盤まで熾烈なポイント争いを繰り広げた。メイクスチャンピオンの座は惜しくもプジョーにさらわれたが、最終戦のグレートブリテン・ラリーではバーンズが3年連続のウイナーとなっている。このシーズンをもって初代インプレッサはWRCの桧舞台から降りた。
■マシンスペック
エンジンタイプ:EJ20 水平対向4気筒DOHC
排気量:1994cc+インタークーラー・ターボ
最高出力:300ps/5500rpm
最大トルク:48kgm/4000rpm
駆動システム:4WD
トランスミッション:6MT
サスペンション:ストラット
タイヤ:ピレリ
全長×全幅×全高(mm):4340×1770×1390
ホイールベース(mm):2520
車重(kg):1230kg