BMWから新車種『1シリーズ』がデビューした。『MINI』や『ゴルフ』より上のグレードを狙った1シリーズは、小さな高級車としての地位を確保しようとしている。それは小さいことイコール安いこと、我慢することではなく、これでもかと思うほどの仕様と豪華装備を満載している。その機能と性能のレベルは3シリーズを上回るほどだ。
エンジンは第二世代の直列4気筒のバルブトロニック。排気量は同じ2リッターで基本構造も変わらないが、現行318iのものより5kw(7ps)パワーアップしている。これに組み合わされるのが6速トランスミッションだ。ドイツではMTが主流だが、日本には右ハンドルのATのみが輸入される。
サスペンションはまったくの新設計。フロントはダブルリンクのロアアームを持つストラットタイプで、7シリーズ、5シリーズと基本は同じだ。リヤはサブフレームに5本のリンクが付くダブルウィッシュボーンに似たマルチリンクである。これまでの『3シリーズ』はボディ側からトレーリングアームが伸びていたセントラルアーム式だから、まったく異なるコンセプトでデザインされている。
1シリーズと呼んでいると小さなクルマを想像してしまうが、実際には小さくない。全幅1751mm、全高1430mmだから3シリーズセダンに比べて約10mm広く15mm高い。短いのは全長4227mmとホイールベース2660mmだけだ。だから前の席では3シリーズより大きく感じる。(つづく)