救急車の位置を病院に連絡…千葉で新FAST導入

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千葉県警は24日、救急車が交差点に接近した際、前方の信号表示を制御して通過をスムーズにする「緊急車両情報通信システム(FAST)」を導入した。

日本医科大学付属千葉北総病院(印旛村)近辺の74交差点で信号表示の適切制御をするとともに、救急車が現在どの地点を通過しているかという位置情報を病院側に連絡する日本初のシステムを合わせて導入している。

千葉県警・交通規制課によると、今回導入されたシステムはFASTの発展系にあたるもの。緊急車両が通過していることを道路に設置された光ビーコンによってキャッチし、前方の信号を適切に制御して青信号にすることで、救急車が赤信号での停止や徐行を減らし、病院までの到達時間を短くするというシステム。

救急救命施設である印旛村の日本医科大学付属千葉北総病院までの経路(主に印西市や佐倉市)に導入され、74の交差点が制御対象となる。

トランスポンダーが搭載される救急車は、印西地区消防組合と佐倉市八街市酒々井町消防組合消防本部に所属する合計19台。これは今後拡大していく予定だという。

信号を制御するだけのシステムはこれまでにも全国各地で導入が行われているが、今回は光ビーコンがキャッチした救急車の位置情報をリアルタイムで病院側に伝えるシステムも合わせて導入されている。

このシステムの導入によって、病院では患者が到着する直前までに受け入れ態勢を整たり、搬送の経過状況をそのままトレースできるようになる。

今月上旬に行われた実験では、赤信号での交差点通過が激減し、徐行や停止が減った分だけ病院への到達時間が短くなることも確認されている。

千葉県警では導入したシステムの稼動状況などを参考としながら、将来的には県内全域に同様のシステムを配備したいとコメントしている。

《石田真一》

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