ソニー・コンピュータエンタテイメント(SCE)『GTシリーズ』の歴史とは、プレイステーションの歴史そのものでもある。その時代の最新技術を先駆けて注ぎ込み、初代から「これが最新のレースゲームなのか!!」と我々を驚かせてきた。それは今回の『GT4プロローグ』でも存分に発揮されている。
GT4を最初にプレイしたとき、後頭部を殴られたような強烈な衝撃を受けた。描画があまりにもスムーズで、それなのに非常に緻密、そして違和感の無い美しさがあると思ったからだ。リプレイ画面が美しいのはもちろんだが、ゲーム中でのクルマの挙動も素晴らしかった。今回は本編の予告にあたる“プロローグ版”だが、その素晴らしさは充分に堪能できる。
だが、実はその素晴らしさを演出しているのはゲームそのものではなく、現時点ではGT4専用コントローラーとなるロジクール『GT FORCE Pro』だったということに気づかされたのは、これまでの『GT FORCE』でGT4をプレイしたときだった。
同じコースを走っているはずなのに、とにかく走らないし、曲がらない。フォースフィードバックの制御にも「これは違う」という違和感があったた。そしてソフトを2001年発売の『GT3』に換えても、その違和感は続いた。
当時は「これは本物に近い」と思えたのに、今はそれを思うこともできない。そうなってしまうのは、自分の中でのGTシリーズに対する受け止め方がゲームではなく、シミュレーターのそれに近いからだろう。
クルマ好きであればあるほど、GT4をプレイすれば「熱い気持ちになってしまう」のではないだろうか。値段は高いのだが、出来ることなら専用コントローラーも用意したいところだ。アナログコントローラ(DUALSHOCK 2)でプレイするのとは違う世界を見ることができるはずだ。
そして本作に限っていうなら、これはコタツの中でプレイするゲームではない。椅子(シート)に座り、ドライビングポジションを取って楽しみたい。