開発資金不足で苦渋の選択---三菱がふそう株売却へ

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三菱自動車工業は来春に、三菱ふそうトラック・バスの全保有株をダイムラークライスラーと三菱重工業など三菱グループに売却する。売却額は1000億円を上回る見通しで、三菱自動車は主に、今後拡充する新型車への開発資金に充当する方針だ。

三菱ふそうは、三菱自動車の経営再建を加速するため今年1月に分社され、ダイムラーが43%、三菱自動車が42%、三菱重工など三菱グループが15%という出資比率になっていた。売却後にダイムラーは三菱ふそう株の過半数を保有、完全子会社にする。

三菱自動車は北米のローン債権が不良資産化するなどで、2003年3月期の最高益から一転、今期(04年3月期)は3期ぶりに最終損益が赤字に転落する。今後、07年度までに10車種を上回る新モデルを国内外に投入することで立て直しを図る計画だが、業績の悪化に伴い、資金不足は否めない。

三菱自動車は、ふそうの分社時には1226億円の売却収入を得ていたが、有利子負債の圧縮などに充てていた。

同社はこの売却計画については、現時点では「コメントできない」としている。

《池原照雄》

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