泥酔運転の常習者、パトカーから逃れようとして死亡事故

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23日早朝、埼玉県久喜市内の県道交差点で、パトカーの追跡を受けていた乗用車が別の乗用車と出会い頭に衝突した。この事故で衝突された側のクルマに乗っていた1人が死亡、4人が重軽傷を負った。

警察では20歳の男を業務上過失傷害の現行犯で逮捕しているが、今後は危険運転致死傷容疑の適用も含め、捜査を続けていくとしている。

埼玉県警・久喜署の調べによると、事故が起きたのは23日の午前5時25分ごろ。これより5分ほど前の午前5時20分ごろ、久喜市内の市道をパトロールしていたパトカーが、ふらふらとした挙動で走る乗用車を発見し、停止を求めた。

この直後、乗用車はスピードを上げて逃走を開始したが、ガードレールやブロック塀に数度の衝突を繰り返すなど、かなり危険な状態だった。

パトカーは逃走する乗用車の約100m後方を走っていたが、サイレンを使用するとスピードを上げようとするため、ON/OFFを繰り返しながら追跡を続けていた。

追跡開始から5分後、逃走していたクルマは赤信号を無視して交差点に進入。この際、青信号で進入してきた別の乗用車と出会い頭に衝突した。乗用車は衝突によって後部座席付近が大破。

後部座席に乗っていた9歳の男児が胸などを打って死亡、12歳の女児が肩の骨を折る重傷を負い、3歳の男児も軽傷を負うなど、乗車していた1家5人が死傷した。

逃走車を運転していた男は事故直後にクルマを捨て、そのまま走って逃走しようとしたが、後を追ってきた警察官に取り押さえられ、業務上過失傷害と道路交通法違反(ひき逃げ)の現行犯で逮捕されている。

事故当時この男は泥酔状態だったが、過去にも同様に飲酒運転を行って免許停止の処分に。さらには今年9月、泥酔状態で運転しているところを発見。道路交通法違反(無免許、酒酔い)で逮捕されて、免許は取り消しになっていた。3回目の今回は他者を巻き込む事故を起こし、死亡者も出してしまったというわけだ。

男は取り調べに対して「無免許と飲酒運転が発覚することを恐れた」などと供述するとともに、事故については「しつこく追ってくる警察官が悪い」などと話しているようだ。

こうした事情や、事故後に逃走を企てたということもあり、警察では危険運転致死傷容疑の適用を視野に捜査を行っていくとしている。

また、追跡中にサイレンを停止させたというパトカー乗務員の対応については、追跡捜査の正当性も含め、関係者から聴取を行って判断したいという。

《石田真一》

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