首都高の夜間割引、今月末から実施

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国土交通省、首都高速道路公団、東京都などで構成される「首都高速道路夜間割引社会実験協議会」は18日、ETC車を対象とした首都高の夜間割引を今月28日の午後10時から開始することを発表した。

通行料金の割引対象となるのはETC装置を取り付けた普通車と大型車。5万円分の支払いで5万8000円分まで使えるETC前払い割引と併用することも可能だが、実際に差し引かれる額は通常の夜間割引運賃と同額となる。

ただし、トータルで見た実質的な通行料金は夜間料金をさらに割り引いたものになり、現行正規料金の半額程度となるのがポイントだ。

通行料金の割引が行われるのは午後10時から午前6時までの8時間。この間、入口前での“値下げ待ち渋滞”を避けるため1時間ごとに割引率を徐々に変えていき、東京線では午前1時から4時、神奈川線では午前0時から4時までの割引率を最大とする方式を取る。

一例を挙げると、東京線の普通車通行料金は700円だが、これが午後10時から11時までの間は665円(割引率は5%)となり、以後は午後11時から午前0時が630円(同10%)、午前0時から1時までが560円(同20%)、午前1時から4時までが462円(同34%)、午前4時から5時が560円(同20%)、午前5時から6時が630円(同10%)となる。前払い併用の場合、570円→540円→480円→400円→480円→540円と推移する。

首都高速道路公団の調べでは、首都高を利用する全体の14%のクルマにETC装置がすでに搭載されている。今回の夜間割引の実施で装着率が増えそうだが、夜間以外の時間帯には前払い割引しか使うことができない。この場合、割引率は13.8%に留まり、現行の回数券で行っている18.4%の割引率を下回る。

深夜から未明に掛けての時間帯に首都高を多く利用するというのならETCが有利だが、昼間しか使わないという場合には割引の恩恵をほとんど受けることができないというのが実情なのだ。

しかも、今回の夜間割引はあくまで実験的なものであるということにも注意が必要。夜間割引の期間は来年3月1日午前6時までの3カ月間で、その後の実施については「大きなトラブルが生じず、自治体の協力が得られれば継続される」というが、それ自体も確約されたものではなく、実際には何も決まっていないのと同義。

すでにETCを装着しているユーザーにとっては恩恵を受けられるかもしれないが、深夜未明に利用しないという人なら、装着を急ぐ必要も無いだろう。

《石田真一》

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