イタリアのフィアットは、同社の乗用車部門フィアット・オートのGMへの売却を、1年遅らせることでGMと合意した。
3年前に、GMがフィアット・オートの株式を20%取得した際に、残りの株式をGMに買い取らせるオプション契約を両社は結んだ。このオプションは、2004年1月から2009年7月の間に、実行を求めることができるものだったが、その開始を1年遅らせることになった。もっとも早くても、フィアット・オートのGMへの売却は2005年1月以降となる。
フィアット・オートが、リストラの一環として、同社の金融部門を売却したことを、GMは契約違反とみなし、オプション契約自体の無効を訴えてきた。今回の1年延期は、法的措置をとるかわりに、両社の意思をすりあわせる時間を稼ぐのが狙いと言える。
確かに、GMのビジネスモデルは、本業の自動車部門ではなく、自動車ローンなどの金融部門で稼ぐスタイルに移行しつつある。フィアット・オートが金融部門を切り離してしまったことを、GMが、大きな契約違反とみなしたのも、仕方のないところだ。