トヨタではコンパクトミニバンクラスに、『シエンタ』に近い存在の『カローラ・スパシオ』がある。スパシオにも1.5リットルエンジン搭載車がラインナップされ、販売店も同じということもあり強力なライバルとなるはずだ。
その点についてシエンタのチーフエンジニアの永井正之氏は「シエンタのライバルを強いてあげるなら、私もスパシオになると思っています」とコメント。それではこの2台はどのようにすみ分けをしていくつもりなのか。
「スパシオは2BOXタイプのクルマから派生したモデルで、シエンタは3列シートミニバンとして専用開発されたクルマです。つまりスパシオのサードシートは急に多くの人を乗せなくてはならなくなった場合に使う、あくまでもテンポラリーなシートなのです」
「それに対しシエンタは、常にサードシートを出して、日常的に人を乗せることができる設計になっています。そして乗降性にも気を配っています。普段はサードシートをたたんで、ラゲッジにしておきたい方ならスパシオ。常にサードシートを出して、短距離でも日常的にサードシートに人を乗せる方ならシエンタ、と考えています」
確かにこの説明を聞く限りではすみ分けは可能そうだ。だが、実際にはスタイリングやリアドアの開閉方法(シエンタはスライド式でスパシオは通常のヒンジ式)も大きく違うため、最終的にはユーザーの嗜好により決定されることになるだろう。ともあれ選択肢が増えることはユーザーにとってみれば歓迎すべきことだ。