新型BMW『5シリーズ』には、BMWとアルパインが共同で開発したiDriveコントローラー対応のDVDカーナビが搭載されている。
地図ディスクはアルパイン製のものを使用するが、インターフェイスについてはiDriveコントローラー用にチューンされたもの。画面に表示されたメニューの選択肢をコントローラーをくるくると回したり、前後左右にプッシュしたり、押し込んだりして決定する。
展示されていたモデルがEU仕様車だったということもあり、ナビそのもののフィーリングを確かめることはまだ出来なかったが、気になるのはどうしてHDDナビではなく、DVDナビが採用されたのかということだ。
高級車ということであれば、ユーザーの心理としては高級品を求めたいと考えるのが自然だろう。アフターマーケットでは様々な種類が出ているHDDナビを付けて欲しかったと思うのではなかろうか。
BMWジャパンで試験技術を担当するエンジニアリンググループの山根健・ゼネラルマネージャーは「開発メーカーのアルパインもHDDナビを作っているので、当然ながら選択肢にHDDナビはありました。しかし、現時点でもHDDナビには地図更新の方法について懸念があり、それを発売スケジュールまでにクリアできる見通しが立たなかったため、結果として採用を見送り、更新が容易なDVDを採用しました」と説明する。
HDDナビの場合、DVDナビのようにディスクを最新のものに交換すれば地図更新が済んでしまうというものではない。
コントロールのレスポンスは素早く、ユーザーが意のままに操れる…という意味ではHDDナビは高級かもしれないが、山根ゼネラルマネージャーは「DVDディスクに比べ、HDDは扱いも難しいし、HDDナビの地図更新方法の方向性が決まってこないと高級車には採用できません。データをディスクに上書きするという方法はスピーディとは決して言えないし、このあたりのハードルを超えることが条件になるでしょう」という。
DVD優勢だが、HDDナビを全く採用しないというわけではない。地図更新の方法が定着し、作業が簡単にできるようになれば採用される可能性も残されているのだ。