発表会の冒頭、張富士夫社長が自らハンドルを握り、新型『プリウス』をステージ上まで運転してくるというデモンストレーションが行われたが、この際には強制的に電気モーターのみを使って走る「EVモード」が使われていた。
屋内で行われる発表会でクルマが自走してくるということはほとんどないが、モーターのみでの走行が可能というプリウスの特長を最大限に生かしたデモンストレーションだったといえる。
このEVモード、どういう場面で使うことを想定したものなのだろうか。パワートレーン本部の瀧本正民・専務取締役は「深夜や早朝など、エンジン音を響かせたくないときですね」と説明する。
EVモードに設定した場合、エンジンの始動がストップされる。55km/h程度の定速走行で約500mを走ることを想定しているという。自宅の駐車場から幹線道に出るまでの間、住宅街を抜けていく際にはEVモードを使えば騒音を極限まで抑えることができる。
「このモードで最大どの程度の距離を走行できますか?」という、ちょっと意地悪な質問に対し、瀧本専務は「バッテリーに左右されるけど、満充電時なら数キロはいくんじゃないかと思います」と回答。逆にバッテリー残量が少ないときにはEVモードがキャンセルされ、エンジンが動くようになっているという。