18日、トヨタ自動車は新型車のデザイナーがユーザーと直接話し合う「デザイナーズトーク」を、東京臨海副都心のMEGAWEBスタジオで開催した。今回は『ランドクルーザー・プラド』と『ハイラックス・サーフ』との2本建て。
新型『ハイラックス・サーフ』のねらいは“SUVスポーツカー”。トラック的な強さとスポーツカー的なスペシャリティを目指したという。
ハイラックス・サーフの外形デザインのチーフである、トヨタ第3開発センター・第3デザイン部の服部繁也担当員によると「ハイラックス・サーフはもともとトラックをベースにしている。こうしたピックアップトラックはアメリカで生まれ、個人主義と自由の象徴であった。新型サーフとしては、開拓のイメージの力強いトラックの上に、自由なイメージであるスポーツカーをのっけたSUVスポーツカーが理想」と語る。
一方、対抗案を出したCALTY(トヨタのアメリカにおけるデザイン拠点)のアラン・シュナイダー・シニアデザイナーからはビデオメールが届いた。彼は「アメリカではこうしたクロスオーバーのクルマはいっぱいある。サーフはトラックベースのため、トラックにもっと特化すべきではないか。そこで私はCピラーでキャビンと荷室を分けることによってトラックを意識させた」と語った。
結局コンペでシュナイダー・シニアデザイナー案は選ばれなかったものの、リヤ周りのアイデアが採用案に取り入れられることに。しかし、採用案には繊細すぎるとの意見があったようだ。そこで、よりSUVらしさを出すために、ジオメトリーとオーガニックをもじった“ジオガニック”を追求。トラック的なゴツゴツ感をより強くして熟成を重ねていったそうだ。