トラックのエンジンにもアフターバーナーがついに搭載!?

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トヨタの張社長は、25日に行われた記者会見で、ディーゼルエンジンの排出ガスに含まれるNOx(窒素酸化物)と、PM(粒子状物質)を現状よりも80%低減できるという、排出ガス浄化システム「DPNR」の基本技術を開発したことを発表した。

このシステムは、ガソリン車用の三元触媒技術をベースに、多孔質セラミックフィルターを組み合わせた。排出ガスに含まれるNOxを触媒内に一時的に貯蔵、その後に低酸素状態でエンジンを稼動させ、生じる気圧差を利用して貯めていたNOxを燃焼室内に導き、次の通常燃焼で焼き尽くす。PMはその際に発生する酸素によって酸化させ、無害化するというもの。

このシステムが持つ浄化能力は世界最高水準で、2005年からの欧州基準「ユーロ4」と、日本政府が打ち出している環境基準とを同時にクリアできるのだが、問題もある。

このシステムはコモンレール式のディーゼルエンジンにしか搭載できないので、既存車への活用は全くできないこと。現在市販されている軽油ではなく、硫黄分を現状の10%以下に抑えた低硫軽油しかできないこと。再燃焼を伴うため、燃費が5%程度悪化することなどの理由がすでに挙げられている。

しかし、トヨタでは「石油連盟には低硫軽油の販売を要請している」と、このシステムの実現に前向きな姿勢を示している。順調に進めば2003年には実用化され、トヨタだけではなく、グループの日野自動車にも技術提供を行うという。

《石田真一》

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