ショー会場で今年のグランプリ発表
外国メーカーの参加が大幅に減少する「東京モーターショー2009」(一般公開10月24日 - 11月4日)に、強力な助っ人が現れた。すでに一部報道されているが、日本カー・オブ・ザ・イヤー(COTY)の表彰式などがショー会場で開催されるのだ。
COTYの実行委員会と、モーターショーを主催する日本自動車工業会がタイアップで合意した。COTYは今年で30回目の節目を迎えることになっており、今回(2009 - 10)の受賞車のほか、初回から昨年29回までのグランプリに輝いた車両も勢ぞろいする。
41回目となる今年の東京モーターショーは、世界同時不況の影響をモロに被って出品者はほぼ半減、一時は「休催」も真剣に検討されたという。外国メーカーだけでなく、日本メーカーもいすゞ自動車などトラックメーカー4社は出品を見合わせた。
◆北米COTYはデトロイトモーターショーと連携
自工会が3月にショー概要を発表した時点で、伊フェラーリや韓国・現代自動車など外国メーカーの出展は6社となっていた。だがその後、経営悪化で独VW(フォルクスワーゲン)との統合の準備に入ったポルシェなど2社が不参加の意向を自工会に伝えてきた。
有力スポーツカーメーカーの“リタイア”は痛いが、一方で浮上したのがCOTY車両の展示やイベントだ。COTYの発表や授賞式はこれまで、自動車メーカーやメディア関係者を対象に行われてきたが、モーターショー会場で幅広く公開されるようになる。
COTYと東京モーターショーがタイアップするのは観客動員など双方の主催者にもメリットがある。北米カーオブザイヤーが、毎年1月に開催される北米国際自動車ショー(デトロイトモーターショー)で発表されることを考えると、むしろ、なぜこれまで実現しなかったのかと思うくらいだ。
◆第1回のファミリア3ドアHBから…
第1回(1980 - 81年)の受賞車である東洋工業(現マツダ)の『ファミリア3ドアハッチバック』から29回(2008 - 09年)のトヨタ自動車の『iQ』まで、歴代のグランプリ車の展示は壮観だろうし、来場者はそれぞれの時代にタイムスリップできるのではないか。
かつてない逆風で開催されるモーターショーだが、主催者である自工会の青木哲会長は「環境や安全といった技術でトップレベルにある日本のクルマづくりを発信する場として、東京モーターショーの役目はこれからも変わりない」と強調する。
今回は日本のクルマづくりの歴史が、実物展示を通じて発信されることになり、ショーの盛り上げにも一役買う。