日産自動車は、欧州日産自動車とプレイステーションが共同で立ち上げた「GTアカデミー」プロジェクト出身のドライバーが9 - 10日に開催されたドバイ24時間耐久レースに参戦して完走したと発表した。
GTアカデミーは、ビデオゲームというバーチャルの世界から、才能あふれるドライバーを発掘し、現実世界のレーシングドライバーに育て上げるプロジェクトだ。
今回、GTアカデミーの勝者で、国際レースライセンスを取得したルーカス・オルドネス(23歳、スペイン出身)が日産『フェアレディZ』でドバイ24時間耐久レースに参戦し、堂々たるレースを展開、完走した。このようなプロセスでレーシングドライバーが誕生したのは、モータースポーツの史上初めてのこと。
ドバイ24時間レースでは、夜間走行や、焼け付くような暑さなどいくつもの難関が待ち受ける中、80台ものマシンがひしめくコースを走り抜いた。オルドネスは、周回によっては総合で9番手となる好タイムまで記録した。
チームは、たびたびアクシデントに見舞われ、ピットインは合計21回に及んだ。
元F1ドライバーのチームメイト、ジョニー・ハーバートは「ルーカスは、我々が期待していた通りの成果を上げ、才能がある若者にきっちりとしたトレーニングを積む機会を与えれば、バーチャルから現実のレーサーになることが可能であることを証明してみせた」と語った。
また、欧州日産のダレン・コックスマーケティングマネージャーも「ルーカスは、速くて堅実、それにどの訓練もしっかりやり抜いた。彼の成果を非常に誇りに思うし、日産とプレイステーションの夢の実現に貢献してくれた」としている。
欧州ソニーコンピューターエンターテインメントのマーク・ボウルズ氏は「『プレイステーション』と日産は、バーチャルを現実にすることは可能だと常に信じてきたし、9か月間、チームが力を尽くして『プレイステーション3』で『グランツーリスモ』を操っていたゲーマーを、ドバイで日産『フェアレディZ GT4』に乗せるというプロジェクトを成功させることができた」とコメント。
2008年5月に始まったGTアカデミーは、欧州日産とプレイステーションのコラボレーションで実現した企画で、ヨーロッパ各国からビデオゲームプレーヤーを募り、バーチャルでのドライビングスキルを競って、現実の世界で実際のレースに参加させるチャンスを与えた。オルドネスはGTアカデミーの初代勝者で、日産/プレイステーションレーシングチームが設定した集中トレーニングプログラムとして4か月間、英国各地でレース参戦を重ね、今回のドバイ24時間レースに参戦した。