最も醜い車 イタリア版…ただいま1位は伝説の「日・伊合弁車」

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最も醜い車 イタリア版…ただいま1位は伝説の「日・伊合弁車」
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イタリアの経済新聞『イル・ソーレ24オーレ』の電子版は、現在「最も醜い車」の読者投票を実施中だ。

候補車は、あらかじめサイトにノミネートされた計36台で、読者は画面上のボタンで投票できる。アルファ『6』、アルファ『75』、フィアット『131』といった歴代イタリア車のほか、シトロエン『BXブレーク』、フォード『スコルピオ』、フォルクスワーゲン『初代ジェッタ』など外国車も含まれている。現行市販車ではランチア『テージス』が挙げられている。

フィアット『600ムルティプラ』といった、すでにファンの間で名車扱いされているモデルも含まれるいっぽうで、1983-85年に生産されたフィアットの大型セダン『アルジェンタ』など、イタリア人も忘れかけている絶版車もノミネートされている。

12月8日時点での4位はフィアット『ドゥナ』(全投票者の7%)。1987-90年にかけてプラジル工場で造られた3ボックス車である。ハッチバック車『ウーノ』をもとに、唐突ともいえるトランクを付けたフォルムが「醜い車」として認知されたようだ。ちなみに、この車をデザインしたジウジアーロ自身も「忘れたい作品」の1台に挙げている。

3位は韓国サンヨン製MPVの『ロディウス』(13%)。すでにイタリア国内にも輸入され、路上で視覚的インパクトを与えていることが“得票”に繋がったと思われる。

2位は1961年から71年に生産されたシトロエン『アミ6』(14%)。そのデザイナーは多くの読者と同じイタリア人のフラミニオ・ベルトーニであることは、ちょっとした皮肉といえる。

そして現在の1位はアルファ・ロメオ『アルナ』(16%)である。アルナは1979年、当時イタリア産業復興公社の管理下にあったアルファ・ロメオを日産に打診した協力要請によってスタートしたプロジェクトだった。

日本から輸送した二代目日産『パルサー』のボディとサスペンションに、イタリアでアルファ『スッド』の水平対向4気筒エンジンと変速機を組み合わせた車だった。1983年に発売されたが、1986年にフィアットがアルファ・ロメオを買収したことでアルナ事業は解消された。

アルナのスタイリングに関しては、イタリア人の自動車ファンの間では以前から評判が良くなかった。いっぽうで、水平対向エンジンによる低重心の恩恵で、意外にも操縦安定性が良かったと証言する愛好家もいる。

「醜い車」投票といえば、今年8月に英『デイリーミラー』紙が先に実施した。だが、今回イタリア版は日本でいうなら日経新聞に相当する一流経済紙の電子版であること、スタイルに対して鋭い審美眼を持つといわれるイタリア人読者が主なターゲットだけに、その成り行きは興味深い。

なお、今回の投票ページに、現在のところ期限は明示されていない。

URL
http://www.ilsole24ore.com/fc?
cmd=sondaggio&chId=30&sezId=8720&id_sondaggio=5689

《大矢アキオ Akio Lorenzo OYA》

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