特に『ゴルフV』以降のフォルクスワーゲンは以前にも増して非常にハイクオリティでヴァリューの高さが印象的だが、今回の『ティグアン』もまた、その思いを再確認する性能だ。
ワッペングリルに変わる新しいVWの顔を備えたフロントマスクはワイドな印象で安定感があり、内外装ともにシンプルでクリーンなデザインは長くつきあえそう。『ゴルフトゥーラン』とほぼ同サイズのボディは、SUVとしてはコンパクトで日本の道路事情にもマッチし、取り回しがしやすい。
そして、直噴+ターボチャージャーの2.0リットルTSIエンジンは、一般道からワインディングまでまったく不満のないパフォーマンスを発揮する。
しかし、もっとも驚いたのは走りのスマートさ。本格的オフロード性能を備え、タイヤサイズも16インチとさほど大きくないが、オンロードでのフットワークが素晴らしい。コーナーでのしっかりしたふんばり感がありながら快適な乗り心地だ。オールマイティなドライバビリティとスペースユーティリティを備える万能車である。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★
佐藤久実|モータージャーナリスト
大学在学中にレーシングドライバーとして活動を始める。ワンメイクレースや耐久レースをメインに、海外の24時間レースにもチャレンジしている。レースで培ったスキルをベースに、ジャーナリストとしてのクールな視点、女性の視点からクルマを評価。自動車専門誌への執筆やTV出演をしている。また、ドライビングインストラクター、大学非常講師も務める。