【三菱ふそう エコハイブリッド 新型】第2世代に進化

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【三菱ふそう エコハイブリッド 新型】第2世代に進化
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三菱ふそうトラック・バスが初めてハイブリッドバスを市販したのは2004年。07年9月に発表した新型ハイブリッドバス『エアロスター・エコハイブリッド』は、同社にとって第2世代に相当するモデルだ。

発電専用4.9リットル直4ディーゼルエンジン、定格出力158kWの駆動用電気モーター、耐久性を飛躍的に向上させたマンガン系リチウムイオンバッテリーなどで構成される新システムは、今のところエアロスター・エコハイブリッドのみに使用されるが、将来的にはダイムラーグループ全体でグローバル展開される可能性もあるという。

「当社の大型車向けハイブリッドシステムの技術リソースに対しては、ダイムラーも少なからず期待感を示しています。ダイムラーはとくに大型車部門において、ハイブリッドの開発で出遅れていました。2年ほど前から、大型車用ハイブリッドはふそうに任せるという意向を示すようになりました」(HEVシステム開発部部長・近藤勉氏)

新システムには、第1世代モデルを実際に販売、運用した結果得られた様々なノウハウがフィードバックされている。その一例は、冷暖房などのサービス用動力を供給するモーターの新設。

「初代モデルでは、エアコンのコンプレッサーをエンジンで駆動していましたが、ハイブリッドバスにとってはそれが燃費向上の大きな妨げになりました。真夏にバスの車内を気持ちよく冷やすには、エアコンの出力は10kWほど必要です。エアコンを全開にするとエンジンがせっせと回ってしまい、アイドリングストップで稼げるはずの燃費を相当失うことになりました」(HEVシステム開発部マネージャー・須々木祐太氏)

「そこで新型モデルでは、エアコンのコンプレッサーなどをエンジン停止状態でも駆動できるように、リチウムイオン電池のエネルギーを使うサービス用モーターを設置したのです。初代を実際に市販して実走行データを得られたことが、こうした改良につながったと思います」(同)

大型車のハイブリッドシステムは、各社ともまだ確固たる基盤技術を持てているわけではなく、また乗用車に比べても技術的な難度は格段に高い。三菱ふそうのシリーズハイブリッド方式は路線バスに特化したものだが、およそ3割という燃費削減効果を示すなど、大型車の環境技術としては注目に値するものと言えるだろう。

《井元康一郎》

井元康一郎

井元康一郎 鹿児島出身。大学卒業後、パイプオルガン奏者、高校教員、娯楽誌記者、経済誌記者などを経て独立。自動車、宇宙航空、電機、化学、映画、音楽、楽器などをフィールドに、取材・執筆活動を行っている。 著書に『プリウスvsインサイト』(小学館)、『レクサス─トヨタは世界的ブランドを打ち出せるのか』(プレジデント社)がある。

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