【神尾寿のアンプラグド】夏モデルで「反撃にでる」ドコモ

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「ドコモは反撃します。他社の皆さん、覚悟してください」

4月23日、NTTドコモの07年夏モデルである「FOMA 904iシリーズ」発表会の壇上で、同社執行役員 プロダクト&サービス本部マルチメディアサービス部長の夏野剛氏は満面の笑みで宣言した。

昨年10月の番号ポータビリティ制度(MNP)開始後、創業初の純減を経験し、春商戦でも新規契約者の獲得でauに押しまくられたドコモだが、904iシリーズでは正面から反撃にでるという。

具体的に、どう反撃するのか。

その鍵になるのが、新たに投入する「2in1(ツーインワン)」と呼ばれるサービスだ。これは1台の携帯電話機に2つの携帯電話番号とメールアドレスを搭載するサービスで、それぞれの番号が独立した発着信履歴やアドレス帳、留守番電話などネットワークサービスを持つ。携帯電話機側では、2つの番号を切り換えて使えるほか、デュアルモードとして混在して使うこともできる。

ドコモでは2in1の用途として、若年世帯を中心に急増する自宅に固定電話を持たないユーザーや、仕事とプライベートの両方で携帯電話を使っているユーザーの「使い分け」を想定している。

「例えば、自宅に固定電話を持たない若い女性などは自分の主番号を表に出すのは抵抗がある。2in1ならメインの電話番号とは別に、公開用の電話番号を取得することができる」(夏野氏)

また仕事利用の場合は、プライベート用と仕事用の番号を2in1で分けておき、ビジネスタイムは「仕事用」だけ、もしくは「仕事用とプライベート用」の番号への着信を受けるが、オフタイムになったら「プライベート用」の電話番号だけを着信するといった運用ができる。携帯電話が普及し、生活と仕事のどちらでも重要になるなかで、上手な“使い分け”をするためのサービスが2in1というわけだ。

2in1は904iシリーズから対応する新サービスであり、追加取得する番号の利用料は月額945円(税込み)だ。通話料は現在利用中の主番号の料金プランが適用される。パケット料金定額制など付加サービスも、主番号のものが追加取得した番号の利用時にも有効になる。

「2in1は電話機のみの新機能ではなく、携帯電話ネットワークや課金システムなどの対応も必要になる。こういった組み合わせのサービスは、なかなか容易に実現できない。他社はそう簡単にキャッチアップできないと思う」(夏野氏)

◆ゲーム、音楽、映像でも“au以上”に

2in1以外にも、904iシリーズ向けに強化されたポイントは多い。特に「音楽はau」のイメージで負けていたエンタテイメント分野の強化は徹底して行った。

まず、大きく強化したのが携帯ゲーム分野だ。ここは携帯電話の“動き”を感知するモーションセンサーを導入し、携帯電話を傾けたり振って操作する「直感ゲーム」という新たな携帯ゲームアプリの展開に乗り出す。

また、auにリードを許した音楽分野では、着うたフルの定額制サービス「うた・ホーダイ」で差別化を図る。これは毎月一定額を支払えば着うたフルが好きなだけダウンロードできるというもので、すでにPC向けで同様のサービスを展開する「Napster」(月額1980円)のほか、数社が参入する予定だ。

音楽配信の定額制サービスは欧米では広がっているが、日本のレコード会社は消極的。日本で展開するPC向け「Napster」も洋楽は充実しているものの、邦楽の品揃えでは非定額の着うたフルより見劣りしている。ドコモの「うた・ホーダイ」開始で、日本のレコード会社がどれだけ定額制に乗り出すかが、“音楽分野での反撃”で鍵になりそうだ。

映像分野ではiモーション容量を10Mバイトまで拡大した「ビデオクリップ」対応機種を904iシリーズ全機種に拡大した。映画の予告編とチケット販売を結びつけた連携サービスも導入し、将来の映像配信サービス拡大に布石を打った。

◆新端末は5機種。ワンセグ、HSDPA対応機も

端末側に目を向けてみよう。

今回、発表された904iシリーズは5機種。N904i(NEC製)、SH904i(シャープ製)、F904i(富士通製)、D904i(三菱電機製)、P904i(パナソニックモバイル製)というラインアップだ。各機種で共通する特徴は、全体的にスリム・コンパクト化をしたことと、3インチ前後の大型液晶を搭載していることである。先代903iシリーズと同様に、GPSは全機種対応だ。

高速通信規格のHSDPAはN904i、ワンセグはF904i、BluetoothはP904iが対応し、それぞれの特徴になった。HSDPAはこれまで「iX」、ワンセグは「iTV」という特殊モデルの型番が付加されていたが、904iシリーズからはスタンダードナンバーに入るという。

ドコモはこの904iシリーズの投入に合わせて、新たなキャッチフレーズ「DoCoMo 2.0」を展開。auやソフトバンクモバイルに対して、積極的に攻勢をかけていくという。

◆au、ソフトバンクモバイルの対応は?

例年だと、夏商戦モデルの発表はGW明けから行われる。ドコモがGW前に904iシリーズを発表したのはかなり早いタイミングであり、同社の反撃に対する強い意気込みが感じられた。対するauとソフトバンクモバイルの夏商戦モデル発表は、5月中旬から下旬にかけて行われそうだ。

ドコモの反撃によって「暑い夏」がくるか。残り2社の動向にも注目したい。

《神尾寿》

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