肩の力が抜けているというか、あまりのバカっぷりに思わず笑みが止まらない。そんなクルマが多いのは、SEMAショーがアフターマーケットショーだからである。それは、パーツメーカーのブースだけでなく自動車メーカーのブースだって同じこと。
東京オートサロンをイメージすればわかりやすいが、メーカーのブースにも「これは本気なのか?」と思えるような、バカ、じゃなくて想像を超えたマシンが展示されているのだ。
たとえば、ホンダブースに展示してあったこの「D Drift Car」というネーミングのエレメント。ホンダR&Dアメリカからの出展となっていて、外観だけでいえば、スポーティにドレスアップしたエレメントにしか見えない。
しかし驚くのはエンジンルームを開けた時。なんと、V6エンジンが縦置きに納まっているのだ。そして駆動方式はFR。なんでエレメントにV6縦置き? しかもFR? という疑問がわくのは当然だが、それは説明書きを見て納得した。
「このエレメントは、ドリフトをするために製作した」。説明文は、そんな書き出しではじまっている。エンジンは3.2リットルのV6をツインターボ化し、500馬力を発生。トランスミッションは6速マニュアルだ。周囲にはガソリン臭がしていたことから、単なる飾りではなく実際に走れるマシンであることは間違いない。
しかし、どうしてエレメントなのか? という疑問は最後まで解決しなかった。