三菱ふそうトラック・バスが今夏に発売するハイブリッドトラック『キャンターECO HYBRID』は、最大積載量3トンモデルが基本。
三菱は3トンクラスのトラックには通常、4.9リットル直4ターボディーゼル(140ps、160ps、180ps)を組み合わせているが、キャンターECO HYBRIDはふたまわりほど小さい3リットル直4ターボディーゼル(125ps@3200rpm、30kgm@1700rpm)を搭載する。
これに厚さ11cmという薄型の永久磁石同期モーター(48ps、20kgm)を組み合わせ、小排気量ターボエンジンの弱点である低回転域のトルクの細さを解消。4.2リットルNAエンジンを超える低速トルクを確保している。
バッテリーモジュールは日立ビークルエナジー製のリチウムイオンバッテリーセル(3.6V)を48個直列に配置したユニットを2基、さらに直列に接続したもの。トータルのボルテージは345.6V、最大出力は86.4kWという計算値になる。
日立ビークルエナジーはハイブリッド二次電池向けに次世代志向の角型セルを試作したことがあるが、今回のバッテリーは乾電池に似たコンベンショナルな円筒形状のものを使用している。
ハイブリッドカーというと、気になるのはこのバッテリーの寿命。とくに商用車は走行距離が長くなりがちで、バッテリー不良によるユニット交換はコスト面でかなりのデメリットになる。
このバッテリー寿命について、三菱ふそうは「バッテリーは高価な部品であり、ライフサイクルのなかで何回も交換することがあってはならない。15万kmの試験を行ったが、そのさいの内部抵抗の計測結果などから、10年30万kmは問題なく使えると考えている」とコメントしている。