これまでオープン2シーターボディ一本だったBMW『Z4』シリーズに、クローズドボディの「Z4クーペ」が加わった。昨年の第39回東京モーターショーに参考出品されたモデルとほぼ同一のもので、グレードは「ロードスター」と同じく265ps・32.1kgmという高性能な新世代3リットル直6エンジンを搭載する「3.0si」1機種だ。
単にロードスターにメタルトップを被せただけのモデルではなく、クローズドボディ化にともなう剛性最適化のため、リアセクションを大幅に改設計。クローズドスポーツクーペのキャラクターにふさわしい走行性能を与えたという。
このZ4クーペ「3.0si」のディメンションはEU仕様で全長4091×全幅1781×全高1268mmと、このクラスとしてはかなりコンパクト。ドライバーのヒップポイントは後輪軸のすぐ前にあり、コーナリングの挙動を腰で感じることができる、完全にドライビングプレジャー優先のパッケージングだ。
この走りの特徴はオープンボディと同様だが、クローズド化されたクーペはよりドライビングに専念したいユーザーに向いたモデルと言える。また、最近のBMWクーペに共通するリアウィンドウ周りの美しいグラフィックスも、クーペボディを選択する動機となろう。
価格はロードスターより15万円安い574万円。セダンの「530i」と比べると約150万円も安い。気軽にBMWの大排気量6気筒を味わいたい向きにもZ4クーペはうってつけだ。