TVを見ながら運転、3割

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カーマルチメディアの普及に伴い、カーナビ、DVD、テレビなどが見られるモニターを装備したクルマが増えている。同時に、運転中にテレビを見るドライバーも増えて警察は頭を痛めているという。

平均的アメリカ人が1日にクルマの中で過ごす時間は72分、テレビの視聴時間は4時間ほどだ。通勤渋滞に悩まされる人にとって、サテライトラジオなどのエンターテイメントは有り難い存在だが、テレビを見て渋滞の退屈を紛らわそうと考える人も増加している。

ノースカロライナ州のローカルテレビ局が行った調査では、クルマの中にテレビを見られるモニターがあるドライバーのうち、およそ30%が「運転中にテレビを見たことがある」と答えたという。

しかも、運転中にテレビを見るのはドライバーにとって危険な行為であるばかりでなく、特に夜間は他のドライバーにとっても危険なものになる可能性がある。テレビのモニターの画面はかなり遠くからでも認識できるほど明るい。一般にアメリカのフリーウェイは街灯などが少なく暗いため、モニター画面の明るさとのコントラストが他のドライバーにとって障害となる。その度合いは、対向車がハイビームで走行して来る場合に匹敵するほどだと警察は指摘している。

ところでこのように車載型モニターが普及し、TV視聴ドライバーが増えたのは最近の傾向だが、アメリカではすでに1949年に「テレビを見ながら運転する事を禁じる」という法律が制定されている。テレビ放送が始まるとほぼ同時に、ポータブルTVをクルマに積み込む人が現れたためだ。

カーステレオのメーカーの多くは「モニターは後部座席のエンターテイメント用で、ドライバーが見られる場所へのモニター設置を禁じている」としているが、モニター取り付けを行う中小業者が客の注文に応じてドライバー席から見られる場所にモニターを設置するケースが多いという。

今後もますます増えそうなテレビを見ながら運転、警察の取り締まりとのいたちごっこになりそうだ。

《Sachiko Hijikata, US editor》

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