日本への導入も決まり、ピックアップの認知度向上に貢献しそうな三菱自動車『トライトン』。日本では捨て去られた、いわゆる「ブーレイ顔」が特徴のトライトンだが、若干趣の異なるモデルをショー会場で見つけた。
それがこの廉価グレードのトライトン。バンパーとグリルが見た目にも一体化され、めっきのモールドを排したシンプルなデザインを持っている。
しかしながら、このグリルは01年のコンセプトカー、『S.U.P』のものをベースにしたデザインで、S.U.Pもまたオリビエ・ブーレイ氏がディレクションしたもの。つまり若干雰囲気は異なるが、同じ人物によるデザイン・モチーフを採用することで、破綻のないスタイルにすることができた、というわけだ。
さて、秋から日本でも販売されるトライトンだが、これが日本でヒットすればするほど、三菱自動車は「ブーレイ顔」を拒否した自らを結果的に否定することになる。なんとも皮肉な話ではあるが、日本ではスペシャリティモデルとして位置づけられることになるトライトンなのだから、他車のように没個性的なグリルへ変更するという愚行は犯さないと信じたい。