プジョー・デザインセンター長のジェラール・ヴェルテール氏は、『407』の姿を「Feline(猫科動物)look」と形容している。マスバランスを思い切って後方に寄せたスタイリングを、獲物に飛びかかる前に身をかがめる猫科猛獣に例えているのだ。
猫科的なのはフロントフェイスも同様で、プジョーが『206』以降デザインアイデンティティとしてきた“猫目”ヘッドランプに加え、バンパーに大きな口(開口部)を、またフロントエンブレム部を鼻に見立て、意図的に“ライオン顔”を作っている。407は全身でプジョー・ライオンを表現しているのである。
旧型『406』は母国フランスでも「デザインが淡泊に過ぎる」といった声が強かったが、その点407のデザインは、充分すぎるほどのテーマ性を持ち合わせていると言えよう。