ル・マンにも参戦していたし、トヨタ『GT-one TS020』は自分にとって特別なクルマなんだけど、それがとてもリアルに再現されているのが、まずは驚いたね。実車のデータを取り込んだってことだけど、たぶん、データは最初の98モデルだと思うよ。どうしてかっていうと、クルマとしてまだ未完成な部分があるから。じつはその次の99モデルからは同じように見えて、完成度はまったく違うんだ。そんな細かいことまで再現されているのは凄いね。
よくゲームだと挙動がリアルじゃないとかいうけど、このTS020も一見するとダルな感じで、実車と違うと思うかもしれない。でも、そもそもTS020って耐久仕様だから、ロングホイールベースなわけで、挙動がゆっくりしたものというのがじつは正解。実車も、ただブレーキ踏んで、ステアリング切っていれば曲がるもんじゃなかったからね。パワーオーバーステアが出やすいのもまったく一緒。
それ以外にもTS020の特徴がリアルに再現されていて、ブーストの立ち上がり方や1.8バールがフルブーストなんていうのも、実車とまったく同じで、こだわっているよね。今回はシルバーストーンをアタックしてみたけど、F1のときに走ってむずかしかったクラブコーナーは、やっぱりゲームでもむずかしかった(笑)。
ここは高速サーキットとしてお馴染みだけに、スリップストリームをうまく利用して走るのがコツでもあるんだけど、前走車の後ろに付くと、ちゃんとスリップに入るのはリアルだね。とにかくエアロダイナミズムまで再現されているのは凄いし、ゲームなのにそれがちゃんと体感しているように感じられるのはもっと凄い。そのぶん、逆にリヤからのプッシングがあって、コースアウトしたりするけど。
で、ゲームってぶつけられても、クルマは壊れないでしょ。でも、壊れるゲームは、この「フォルツァ・モータースポーツ」が初めて。当てられた! ってついつい熱くなっちゃうよね。壊れると、もちろん空力も変わってくるから、乗り方も変えなくちゃいけない。タイヤのタレも計算に入れられているしね。
だから、クルマの変化に合わせてカウンターをうまく利用したり、さっきも紹介したスリップストリームを使ったりと、とにかくタイムを出すのはむずかしい。こういうところって、もうゲームの枠を超えていて、シミュレーターといったほうがピッタリくると思うよ。
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