広島県警から「暴走族対策」の名称が消える

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広島県警は18日、県内で活動する暴走族が減少していきたことから、県警本部内に設置していた暴走族・少年犯罪対策課の組織を改変。今年4月から新たに少年対策課としてスタートさせることを明らかにした。

2001年4月に全国初の暴走族対策課が設置されたが、それから4年で本部内に「暴走族対策」を関した部署は消滅することになった。

これは広島県警の暴走族・少年犯罪対策課が明らかにしたもの。同県警本部に全国初となる「暴走族対策課」が設置されたのは、広島市内を中心に暴走族の活動が活発化し、一般の人たちにも影響を及ぼすようになってきた2001年4月。

2001年10月には、同課が中心となって暴走族メンバーに脱退を呼びかける“ひらがな多用メッセージ”の公開を実施。2002年4月に広島市が全国で初めて懲罰規定を盛り込んだ「広島市暴走族追放条例」を施行したことに合わせ、従来は交通部内にあった暴走族対策課を廃止。生活安全部内に暴走族・少年犯罪対策課を新設した。

従来の暴走族対策課が主に道路交通法違反案件を中心に摘発を進めていたのに対し、2002年4月に設置された暴走族・少年犯罪対策課では刑法犯罪の摘発を積極的に進めるとともに、暴走族に様々な指示を行い、上納金の支払いを求める面倒見の摘発をも視野に入れた横断的な組織となっていた。

2002年11月に広島市暴走族追放条例違反が初適用となり、面倒見の男を逮捕。以後、広島市内を中心に暴走族の壊滅作戦が本格化していく。

この結果として、昨年末の段階ではピークとなった1999年の約30%にあたる120人程度まで暴走族メンバーの数が減り、問題行動も激減しているため、暴走族・少年犯罪対策課を廃止するなど組織の見直しに再び着手することが決まっていた。

廃止される暴走族・少年犯罪対策課に代わる組織となるのは「少年対策課」で、既存の少年育成課(2002年3月までは少年課という名称)と統合される。暴走族対策だけではなく、さらに広い意味での少年犯罪をフォローすることになった。

広島県警では「1994年に暴走族対策室を設置して以来、暴走族対策に力を入れてきた。暴走族が減少傾向にあるのは時代の流れという声もあるが、刑法犯罪は増えてきており、総合的な対策を行うための部署が必要になり、今回の組織改変を実施した」と説明している。

《石田真一》

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