イギリスで、23歳の女性が、右手にリンゴを持ったまま左手だけで運転をしていたために、60ポンド(1万2000円)の罰金を払うはめになった。
この判決が降りたのは先月のことだが、実際にこの女性が片手運転をしていたのは2003年12月のこと。実に13カ月間も法廷で争っていたことになる。
事態がこじれたのは、警察官が彼女の持っていたリンゴを携帯電話と勘違いしたことにある。停車を命じられた女性は「馬鹿馬鹿しい」と鼻で笑ったことから、警察側の態度を硬化させた。
イギリスでは2003年12月より運転中の携帯電話の手持ち使用が禁じられているが、リンゴについての罰則はなかった。そこで警察は片手運転がいかに危険かを示すために、航空写真やビデオなどを法廷に持ち込んで争った。
裁判は警察の言い分を認める判決が降りたものの、わずか60ポンドの罰金を得るために、裁判費用として425ポンド(8万5000円)もの経費をかけていたことがわかり、「経費の無駄使い」との批判を受けている。