【福祉機器展04】デザイナーズ・ホイールチェア!

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機能部品だけで構成され、スタイリングの余地がほとんどないと思われている車いす。しかしデザイナーが商品企画や設計から手がけることで、こんなにも独創的な商品が生まれた(国際福祉機器展:10月13−15日、東京ビッグサイト)。

低く構えたスタイルと白く塗られたフレームが目を引く車いす『ラリー』は、有限会社ムーヴ(神奈川県横浜市)が開発した。

同社代表の廣川弘道氏は長年、フリーランスのプロダクトデザイナーとして活動してきたが、デザインに優れた車いすの製造・販売事業を始めるために会社を設立したと語る。そして同社初の商品となるのがこの『ラリー』シリーズなのだという。

白いフレームは日の字断面のアルミチューブが採用され、高剛性と軽量化を実現している。シートファブリックは弾力があって体圧を分散させ、なおかつ通気性に優れたメッシュ状の「バネックス」を採用。

この「バネックス」は、自動車用インテリアファブリックでも知られている株式会社川島織物が開発したポリエステル繊維だ。

ラリーシリーズの新技術はそれだけではない。前輪主軸(フレームから地面へ垂直に伸びた部分)にはウレタン製チューブが装着されてサスペンションとして機能する。またベーシックモデル以外の機種には、後輪車軸にリング状のウレタンを取り付け、これでフレームを吊り下げる構造を採用。

つまり四輪独立懸架構造になっているのだ。このサスペンション機構部分のパーツには、ねじれ剛性が高いステンレスを採用している。

ベーシックモデルには、電動ユニットも装着できる。座面下のラゲッジスペースにバッテリーとモーターが搭載され、ローラーでタイヤを回転させるシンプルなメカニズム。

デザイナーとしてこの「シンプルさ」にこだわり、コントローラーもまるでゲーム機のもののように小さい。「仰々しいコントロールボックスやジョイスティックは、つけたくなかった」と廣川氏。

まるでアイデアのカタマリのようなラリーシリーズだが、神奈川県や横浜市の助成を受け、テストを繰り返して商品化にこぎつけたと廣川氏は説明する。会場で興味を持った人に「とにかく乗ってみてください!」と試乗を勧める姿は、自分の思い通りの商品が作れたというデザイナーとしての満足感と自信にあふれていた。

ラリーのベーシックモデルは29万8000円。カーボンやグラスファイバーのホイールなどオプションパーツも充実しており、スタイリング・カスタマイズも楽しめるようになっている。

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