フランスのPSAプジョー・シトロエン・グループは7日、パリ近郊のベリジーに、新しいデザインセンター「ADN=オートモティブ・デザイン・ネットワーク」を開設した。ADNはフランス語だと、英語のDNAを意味する。
ADNは、従来、複数(おもなもので3カ所)に分散していたグループブランドのデザインセンターを統合した。ブランド間での競争、反対に意図しない類似デザインの回避、そして作業の効率化が期待される。
ADNでは1100人が働き、うち900人が常時雇用者。デザイナーらスタッフの国籍は20以上に及ぶ。3階建ての建物の敷地面積は7万平方メートルあり、研究・リサーチ部門(革新プロジェクトチーム)、創作部門(スタイリングスタジオ)、プロトタイプ制作部門(工作機械、塗装施設、組み立てワークショップ)などの設備が用意されている。
なかでも特筆されるのが500平方メートルのバーチャルリアリティ・センターだ。“ホロベンチ”や“スケール1”スクリーンはじめ、自動車業界で高水準のデジタル・シミュレーション・ツールがそろっている。
さらにADNのライティングは、インスタレーション・アーティストのジェイムス・タレルが構想した。ADNはそれ自身が芸術作品でもあるのだ。