18日午前、滋賀県大津市のJR西大津駅前にある歩行者用信号機に併設された視覚障害者誘導用の音響装置(スピーカー)1個が無くなっているのを信号機の保守管理業者が発見、警察に届け出た。
スピーカーは今月3日に設置されたばかりの新型だが、警察も「どういう目的で盗んだのかまったくわからない」と首を傾げている。
滋賀県警・大津署によると、このスピーカーは歩行者用信号と連動して作動する視覚障害者誘導用のもの。
これまでの誘導装置はA地点(手前側の横断開始位置)とB地点で同じ音が出るようになっていたが、現場に設置されたものはA地点とB地点で鳴る音を変えてあり、進む方向が容易にわかるようになっている。
このタイプの音響装置は滋賀県警管内では今月から10カ所の交差点で導入が始まり、現場の信号機では県内第一号として3日から運用が始まっている。
盗まれた時期がいつ頃なのかは全くわかっておらず、しかも被害を受けたのは現場に複数台設置されたスピーカーのうち1個だけ。犯人は信号柱によじ登った上、鋭利な刃物でケーブルを切断。固定していたボルト類も外して持ち去っているなど、計画性が伺える要素もあるという。
警察では窃盗事件として捜査を開始したが、犯人がスピーカーを持ち去った意図が全くわかっておらず、逮捕に結びつくような手がかりは少ない。警察内部でも犯人像について様々な憶測が飛び交っているようだが、どれも決め手には欠けるようだ。