MRの進化、もうひとつの注目点は“ルーフのアルミ化”。ここでのマイナス4kgは、ロールモーメントで換算すると、ボンネットの高さでより3倍の効果がある。重心高さも3mm低くなった。
だがら、ビル足で目いっぱいロールさせても、動きの重さ、ダルさがドライビングシートに伝わってこないのだ。その差は、回転半径が小さいコーナーではかなりしっかり体感できる。
ルーフのアルミと、ボディサイドのスチールを合体させるために、SPR(セルフ・ピアシング・リベット)というクサビ型リベットを採用。けっこう大変なことかと思いきや、「製造面ではそれほどの負担にならない」と、岩田氏。このほか、アルミサイドインパクトバーでマイナス3.5kgなど、MRはエボVIIIより、合計10kgの軽量化に成功。
では、いつかはフルアルミボディになるのか? 「そうすると、かなり車両価格は上がりますし。MR(のアルミ化)は、コストパフォーマンスがいいのですよ」と布施氏、松井氏が胸を張る。
試乗会会場には、つい先日モンテカルロで実戦デビューした、'04WRCのランサーWRカーの姿もあった。英国ローラ社の風洞で熟成された斬新なフォルム。リアウインドウ側にポジショニングされた巨大な2段式リアウイングが目立つ!
MRが出たばかりのいま、次期モデル、エボIXを推測するのは少々気が早いだろうか。エボVIIIが古く感じてしまうほど進化したMR。WRカー譲りのエボIXは、MRを古臭く感じさせるほど、凄いのだろうか。