今年のデトロイトオートショー(デトロイトモーターショー、19日まで)で何よりもメディアの関心を引いているのは、日本のメーカーが揃ってフルサイズピックアップの分野に挑戦した、ということだ。
日産はすでに『タイタン』を発売、トヨタは『タンドラ』を、ホンダもコンセプトながらピックアップを公開した。
ピックアップトラックは「オールアメリカンカー」とも呼ばれる、ビッグ3の独占市場である。しかも、このところのインセンティブなどで乗用車の利益幅は薄く、ピックアップとSUVがかろうじて採算の取れるドル箱となっている。
そこへ日本の「ビッグ3」が揃って参入、というのだから「日本からの本格的な攻撃が始まった」という印象を与えるのは仕方ないかも知れない。テレビの三大ネットワークやCNNは揃って危機感をあおる報道だった。
アメリカではミニバンでも日本メーカーの参入により大きく市場を食われた、という実績がある。最後の砦とも言えるピックアップへの日本のメーカーの挑戦、ホンダでは「アメリカントラックのシェアを奪うのではなく、新しいニーズを生み出すためのツール」と説明しているが、警戒感は薄まりそうもない。
ただしこれら日本メーカーのピックアップはすべてアメリカ国内での生産が基本で、輸入車ではない。だからアメリカの「国産車」とも呼べるのだが、日本メーカーのバッジをつけたフルサイズピックアップへの反感は強そうだ。