【ワイヤレスジャパン】自販機のルーター化がブレイクスルー

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モバイルキャスト技術本部の奥瀬俊哉本部長が「我々のブレイクスルーになった」と太鼓判を押したもの。それが無線LANユニットを内包したジュースの自動販売機だった。自販機メーカーとのアライアンスも進めており、2007年末までに17万台の設置を目指すという。

「当初、我々はコンビニエンスストアの駐車場やガソリンスタンドにDSRC(狭域専用通信)のアンテナを設置しようと考えていました。しかし、コンビニやガソリンスタンドでは冷静に考えると意外にその数は少ない。そしてDSRCの設備投資にも多額の費用が掛かります」

「もっと身近で安価な技術を使い、どんな規模の街でも設置できるホットスポットはないものかと考えた結果、自動販売機に無線LAN機能を持ったルーターを内包することを思いつきました」

自動販売機の市場規模は想像以上に大きい、現在、日本には約300万台の飲料用自動販売機が存在すると言われている。1台あたりの製品寿命は5年程度で、飲料メーカーが多機能を求めた結果、経年劣化する以前に代替される販売機も多い。

モバイルキャストは「多機能を求め、常に新機種へ代替される」、「飲料メーカー同士の競争が非常に熾烈で設置競争も同様に激しい」、「日本全国どこにでも、どんな小さな街にも確実に1台は存在する」、「設置場所が確定されており、電源確保の心配は必要ない」など、自動販売機ならではの利点に目を付け、これこそホットスポットステーションにピッタリだと考えた。

奥瀬本部長は「都市圏なら多数の販売機が設置されており、無線LANの通信範囲内に複数ある場合も多い。ようするに広いエリアでも数台の販売機があればかなりの広さをまるごとホットスポット化できます。通信速度もDSRCより速く、すでに浸透している技術ですからコストも安い。IPv6が一般的になれば自動販売機に固有のIPも与えられますし、都市部でも田舎でも割と気軽に設置が可能というのは大きい」と、その優位性を強調する。

基本的にはADSL回線と接続するとのことだが、光ファイバーが開通しているエリアならもちろんそちらに対応させることだって技術的には難しくない。携帯電話でジュースが買えるという自販機はこれまでにもあったが、ホットスポットとしての自販機の方が応用範囲は広がるだろう。

《石田真一》

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