身代わりで生じた道交法違反を帳消しにする裁判開始

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酒気帯び運転をした知人の身代わりとなり、道路交通法違反で罰金刑が確定した33歳の男性の罪を取り消すための再審公判が27日、白河簡裁で開かれた。検察側は「身代わりにされたのは明らかである」として、無罪を求めている。

検察の調べによると、この男性の知人が2001年10月、福島県白河市内で酒気帯び運転の摘発を受けた際、自分が無免許運転だったことの発覚を恐れて免許不携帯と偽り、この男性の名前を告げた。本来なら警察はこの男に対して「免許を持参して後日出頭するように」と命じなくてはならないのだが、現場で道交法違反(酒気帯び運転、免許証不携帯)として処理。同年12月に身代わりとされた男性に対する罰金5万円の刑が確定した。

実際に違反した男は「お前の名前を借りた」と、この男性に対して釈明したが、男性が男の家に住まわせてもらっていたために反論ができず、そのままにしていたという。

男性は2002年に婦女暴行未遂事件を起こし、福島県警・白河署に逮捕されたが、この際の余罪追及で「交通違反の身代わりを引き受けたことがある」と供述。男の無免許運転を隠蔽するため、名義を貸したことを明らかにした。警察では男を呼び、身代わりを追及したところ、あっさりと罪を認めたために逮捕。同年9月に道交法違反(無免許、酒気帯び)と犯人隠避教唆罪などで懲役1年6カ月(執行猶予4年)の有罪判決を受けている。

身代わりにされていた男性の罪は現在も有効なため、検察は異例の再審公判を提起。この男性の罰金刑を取り消し、無罪とする判決を求めた。判決は来月初旬に言い渡される予定。

《石田真一》

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