頭の良いひったくり犯、現る---警察の裏をかいて130万円荒稼ぎ

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大阪府警は9日、大阪・梅田を中心にバイクを利用したひったくり犯罪を繰り返していた16歳と17歳の少年6人を窃盗容疑で逮捕し、主犯格の1名を書類送検したことを明らかにした。余罪は30件を超え、総額130万円あまりの被害を出している常習者だが、警察の包囲網に掛からない秘策があったという。

警察の調べによると、主犯格の少年は警察の広報で「ひったくり犯罪は深夜に集中している」ということを知り、「だったら深夜でなく、早朝の通勤時間帯にやればいい。寝ぼけているやつも多い」と考案。犯行に使うバイクも原付ではなく、二人乗りが怪しまれない125ccクラスの小型二輪車を用意した。また、「警察への偽装工作と顔が見られないこと」を目的にフルフェイスのヘルメットも着用するという念の入れようだった。

こうしたことを仲間に徹底し、ほとんどの犯罪を朝の通勤ラッシュの時間帯に定めた。犯行後、盗品やヘルメットを駅のコインロッカーに入れて何食わぬ顔で学校に向かい、放課後に改めて回収するという手段で反抗を重ねていた。

唯一の落ち度は盗んだキャッシュカードの暗証番号入力に失敗したことで、このときに防犯カメラが撮影した映像からグループの1人がわかり、逮捕後の供述から全容が明らかになった。

警察では「ひったくり犯罪が原付バイクに乗った不良少年によるものという固定観念を打ち崩すきっかけにもなった。これからはどの時間帯にも犯行が起きることをアピールしていきたい」とコメントしている。

《石田真一》

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